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特集
2008年7月26日、27日に開催された、JAHA30周年年次大会に参加してきました。
その時の市民講座などの様子を数回に分けてレポートいたします。
当日遠方で参加できなかったかた、また参加はしたものの、いくつかの講座には参加できなかったというかたは是非ご覧ください。

今回はレポートその2です。

記念対談


「細谷亮太先生の日頃の様々な御活躍と聖路加国際病院小児病棟におけるアニマルセラピー(CAPP活動)の取り組みについて」

対談者:
細谷亮太先生(聖路加国際病院副院長・小児総合医療センター長)
柴内裕子先生(JAHA顧問)
日時:26日(土)13:15〜14:15

東京の築地にある聖路加国際病院の副院長として、また小児総合医療センター長として、病気と闘う子どもたちの命と向き合ってこられました先生の様々な思いをお聞かせ頂くと同時に、2003年2月から本会のCAPP活動(アニマルセラピー)を小児病棟に導入して下さいました。経過・現状・将来等についてご講演頂きます。


講演内容


聖路加国際病院とJAHAとの関係

細谷先生は聖路加国際病院に日本で初めて小児病棟にCAPP活動を導入するためにご尽力して下さった先生です。
CAPP活動のきっかけとなったのは、1人の幼い患者さんの言葉でした。
一番最初にキッカケを作ったのは横紋筋肉腫の8歳の女の子でした。
一生懸命闘病された結果亡くなりました。
彼女は犬が大好きで、自宅で犬を飼いたいとのことでしたが、自宅へ帰るのがなかなか難しいという状況でした。
そんな時にJAHAという団体を知りました。

動物介在活動はアメリカでは1970年代後半には病院に動物が訪れるという日があり、子供たちがとても楽しみにしていました。
日本ではあまり例がなく、受け入れと理解がされにくい状況でした。
そんな状況の中、 スタッフの心を動かしたのは、8歳の女の子の犬に対する思いでした。

心配されたこと

噛みつかないか
感染やアレルギーはどうなのか
社会的認知はどうなのか?


日本では現在でもアニマルセラピーへの理解は不充分で導入にあたっては諸問題をクリアしなくてはなりません。
参加する動物のポジティブトレーニングや健康管理を徹底し、セラピー前後の現場の衛生管理など様々な事柄を検討した結果、JAHAのCAPP活動では一度も事故も起こっていません。 また、犬アレルギーがあっても遊びたいという子供も多くいます。
犬は食物アレルギーに比べてアナフェラキシーが起こりにくいそうですが、保護者の同意は必要不可欠であり、アレルギーのある子供の参加については細心の注意を払わなければなりません。
アレルギーがあるから絶対に参加させないというのではなく柔軟に対応し、アレルギーがある、でも犬が大好き!という子供は、手袋やゴーグルをして参加したこともあります。
それらを用いても、プレイルームに入ることが出来ない子供の場合は、窓越しに犬と触れ合います。
これはその当人だけでなく、それを見ている友達にもセラピー効果があります。
友達の表情を見て自分も安らぐのと同時に、

「どうしてあの子は来れないんだろう?来れればいいのにな。」

と相手を気遣う思いやりの感情が生まれます。
たとえ、直接CAPP活動に参加出来なくても、子供たちの大切な感情を培うことが出来るのです。

小児医療と動物医療の共通点

小児科と動物病院はとても似ています。
小児医療とは、その当事者のためだけでなく、当事者の背景にいる保護者のための医療です。
耳が悪いから耳鼻科、骨が悪いから整形外科というピンポイントな括りではなく、個体を総合的に見てトータルケアをしなければなりません。
お母さんと子供の関係を大事にすることと、飼い主とペットを大事にすることは似ています。
診断、治療、患者の家族のサポートを全て含めてチームでアプローチする必要があります。

大人のガンと子供のガンの違い

大人のガン
98%近くが長期性の悪性腫瘍(消化器の表面や肺の外側などから出る)

子供のガン
98%近くが肉腫(筋肉や骨や血液などから出る)

アプローチの仕方が年齢によって違います。
大人のガンはありふれたもので、100万人のうち40万人くらいの患者がいます。
それに対して子供のガンは100万人のうち3千人くらいと非常に低確率です。

終末期医療の考え方

発病から治療そして様々なステージへ向かう状況において、どこの段階でもクォリティ オブ ライフの維持に努めなければなりません。
これは動物も同じことです。
出来るだけ色々な話をする、ペインコントロール、良いバランス感覚を培うなど様々な面での保護者と医師のサポートが必要です。
特にバランス感覚は犬と遊ぶ時にも重要です。

柴内顧問から

細谷先生は非常に涙もろく、ごく一般的な表現ですが、とても優しいお姿です。
著書の中にも、「医者が泣くということ」などお人柄を表したものが沢山あります。

→細谷先生著書参考リンク

聖路加病院でのCAPP活動で特に印象に残っているのは、動物には触れられないけど離れたところで見学している子供が、犬を見るとついニコニコしてしまって、今まで拒否していた治療を受けることを決意したとの事でした。
ちなみに、CAPP活動のきっかけとなった8歳の女の子、なぎさちゃんのお母様もCAPP活動の精神に賛同し、現在は聖路加病院チームで活躍されてます。

CAPP活動で一番大事な事は動物の適性です。
人間が大好き、特に聖路加病院チームの場合は子供が大好きでなければなりません。
特に小型犬は子供が苦手な事が多いので注意しなければなりません。
基準に基づいた検査を行い、室内で暮らしている動物のみ参加します。
JAHAのCAPP活動に参加する動物はみな一般家庭で健康に幸せに暮らしています。
みんな幸せで健康な子です。
それぞれの家庭で、飼い主さんが学習し健康管理やしつけをしています。

水谷会長から

聖路加病院にこの講演への参加についてをお伺いしたとき、細谷先生の部屋に入ったら凄く明るいオーラを感じました。
お話しているうちに本当に心優しさを感じました。
こういう方々に守られている子供たちにアニマルセラピーが必要なのかな?と思うくらい素晴らしい環境の中で治療を受けています。

本日アニマルセラピーの素晴らしさをお話くださって我々もとても勇気付けられました。
動物たちも良い「お医者さん」になっているでしょうか?

 

細谷亮太先生 柴内裕子先生




手書きの優しい資料


対談の様子


聖路加チームのみなさん


活動のキッカケをくれたなぎさちゃん

JAHAFriends編集部より一言

OHPの資料も小児科のお医者さんらしい柔らかいイメージでした。
先生自身も犬が大好きで、またお子さんに獣医師になられて、とても動物医療に近いかただと感じました。
また、お話にもありましたが、CAPP活動のきっかけとなった女の子のお母様が現在はCAPP活動を受ける側から行う側となってボランティア活動をしておられるそうです。
こういった活動のきっかけになるのも素晴らしいことですね。



次回は市民公開講座「アニマルセラピーの現場再現とセラピー犬とのふれあい」をレポートいたします

 
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